美術館を巡り“三館三様の美”を知る
本校の位置する酒田市は江戸時代「北前船」の寄港地として繁栄し「西の堺、東の酒田」とも呼ばれました。近年はインバウンド施策による海外の豪華客船の誘致・受け入れ港としても機能しており、江戸時代から現在に至るまで“異文化”を受け入れ交流する土壌が育まれているのが、ここ酒田市です。この地域は、最上川舟運と日本海開運の結節点として発達してきました。経済が潤うのと並行して人の往来も活発になったことから、多様な文化の影響を受けながら独自の文化・風土を形成してきました。本校では、自分の生活圏である「酒田」という地域社会が形成された背景や歴史を学ぶことで、文化・風土と人間との相互の影響について理解を深めることをねらいとして、1年次前期に『文化人類学』を配置しています。この『文化人類学』では講義回数7回のうち2回を校外学習にあてており、今年度は6月17日(火曜)に実施しました。
出発前に講師の清野誠先生から「人口10万人の地方都市に三つの美術館、それぞれ成り立ちも性格も違います。文化芸術分野は多岐にわたります。今回は三館を通して酒田の歴史や伝統が育んだ豊かな文化の一面を体感しましょう。」と学習のめあてが説明されました。学生たちは学習バスで移動しながら本間美術館(清遠閣・鶴舞園)・土門拳記念館・酒田市美術館の三か所を巡り、酒田の歴史と文化を学習しました。同時に酒田の観光資源の豊かさも知ることができ、充実した学びの時間となりました。
2025年6月23日
副学校長 渡會睦美