基本となる考え方

 本校は、「生命への畏敬と人間尊重を基盤に、専門職業人としての高い倫理観と変化に対応できる柔軟な思考を持ち、社会の幅広い領域で看護が実践できる、自律した人材を育成する。」ことを教育理念に掲げています。この教育理念に基づき、学生の「看護師になりたい」という意思を最大限に尊重し、学生一人ひとりの人間的成長を支援しています。
 本校では、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」、及び「酒田市における障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」に基づき、障がいの有無にかかわらず全ての学生の「学ぶ機会の保障」と「教育を受ける権利の行使」のため、合理的配慮の提供に努めます。

合理的配慮とは

 障害者差別解消法において合理的配慮とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されています。
 すなわち、障がい学生の平等な修学の機会を保障するため、学校等が行う必要かつ適当な変更・調整のことで、学校等において教育を受けるときに個別に必要とされるものであり、かつ、学校等に対し体制面や財政面で過度の負担を課さない配慮のことです。

合理的配慮実施までの流れ

 原則として、提供を受ける本人からの申請(※合理的配慮申請書の提出)が必要となります。申請者との建設的対話を実施し、支援内容に関する個別的で具体的な対応が検討されます。合理的配慮実施後も、学生本人や教育環境の変化を勘案し必要に応じて配慮の内容の見直しをしていきます。申請を行うことで、学校生活や単位認定にかかる評価に不利が生じることはありません。

合理的配慮に基づく支援対象・範囲

(1)支援対象

 支援対象の学生は、障害者基本法に定める障がい者(「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)、その他心身の機能障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」)で、本人が支援を受けることを希望し、その必要性が認められた者とします。

(2)支援範囲

 修学に関する事項(授業、試験、特別活動、自治会活動等への参加など)について、障がい学生の個別ニーズに基づいて支援範囲を検討します。

(3)支援範囲と認めないもの

    • 教育の目的・内容に関わる本質的な変更を伴うこと
    • 看護師国家試験受験資格の付与や卒業要件を変更・緩和すること
    • 成績評価に関する基準を変更・緩和すること
    • 教育とは関係のないプライベートにおいて必要な配慮を提供すること
    • 学校の現状に照らして体制面、財政面などにおいて、学校に過度の負担を課し、均衡を失し秩序を乱す懸念が生じること

申請時における留意事項

 申請は、希望する支援内容の提供を約束するものではありません。また、これまで提供されていた支援内容が、必ずしも本校で提供可能なものとして認められるものではありません。
 申請は、合理的配慮に基づく支援の目的に限り使用します。正当な理由なく第三者への開示、譲渡及び貸与することはありません。ただし、必要に応じ情報の一部または全部を関係者間で共有する場合があります。

支援実施プロセス

 障がい学生への支援実施プロセスは以下のとおりです。

    1. 相談:支援を求めたい学生はクラス担当教員、アドバイザー教員、授業担当教員、事務職員、スクールカウンセラー等に相談する。
    2. 申請:学生は「合理的配慮申請書」を記入し、診断書等の必要書類とともにアドバイザー教員に提出する。
    3. 面談・協議:「合理的配慮申請書」及び診断書等に基づき副校長が面談し、支援内容を教職員会議で協議する(場合によっては保護者との面談も必要)。
    4. 合意:副校長は教職員会議で協議された支援内容を学生(場合によっては保護者同席)に説明し、学生と合意形成を図る。
    5. 決定:上記のプロセスを経た支援内容は副校長が学校長に報告をし、学校長の承認を得て決定する。
    6. 実施:決定した支援内容を学生及び教職員に通知し、支援を開始する。
    7. 評価・改善:支援開始後、定期的に面談等を行い必要に応じて支援内容を調整し支援の改善につなげる。

※本校入学前に属していた学校や職場において、すでに合理的配慮に基づく支援を受けていたケースは、(1)は省略される場合があります。

合理的配慮申請書

    • 合理的配慮申請書(PDFWord