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模擬患者役は「酒田市老人クラブ連合会」のみなさん!
去る3月15日(水曜)、1年生が『実践力確認演習』に臨みました。
これは、「既習の知識と看護技術の統合を促進し、臨床判断および看護実践力の習得につなげる」ことをねらいとした演習です。
この『実践力確認演習』は、本校において初めての試みとなるものです。看護基礎教育においては令和4年度からカリキュラムが改正(第5次指定規則改正)され、1年生(第13回生)から適用されています。カリキュラム改正のポイントとして、コミュニケーション能力や臨床判断の基礎的能力を養うことが示されていることを受け、本校ではこの能力を学生が確実に習得できるよう、さまざまな工夫を凝らした授業を展開しています。その1つとして、今回「酒田市老人クラブ連合会」の方々から模擬患者役としてご協力いただき、『実践力確認演習』を実施しました。
模擬患者さんには【(1)教員からシナリオ(設定)の説明を受け⇒(2)役作りをして⇒(3)患者役になりきって⇒(4)看護師役の学生にフィードバック】までを行っていただきました。
学生たちは1年間いろいろな看護技術の演習を行ってきましたが、患者役は同年代のクラスメイトでした。お互いに看護師役・患者役をすることで分かること、気づくこともたくさんありますが、クラスメイト同士であるという甘えや遠慮が出ることも多かったため、リアリティある緊張感をいかに演習に持ち込めるかが大きな課題となっていました。今回「酒田市老人クラブ連合会」の方々から模擬患者を演じていただいたことで、学生たちは、「患者さんに援助を行う」という臨場感の中に身を置き、緊張した様子で演習に取り組むことができていました。多くの学生が普段とは違う引き締まった表情で真剣に演習に臨む姿はとても印象的でした。ある学生は「『模擬』といっても、自分の援助を受けてくださる方なのだから、絶対に危険なことはしてはいけないので安全・安楽を意識してがんばりました。」と感想を述べていました。また、別の学生は「技術の手順は教科書で勉強できるが、患者さんの気持ちを想像しながら援助することの大切さは、教科書では分からない。実際に患者さんに接して学ばせていただくことが大事だと思った。」と振り返っていました。
今回、模擬患者役をお引き受けいただいた方々からは以下のようなご感想をお寄せいただきました。
- 孫のような学生に足浴をしてもらいました。終始あったかい笑顔と温湯とっても気持ち良かったです。
若さと一途な情熱をもらいました。患者になりきりそのまま入院したくなりました。 - 足浴なんて初めての経験でした。一生懸命な学生に感謝の言葉は伝えたと思うが、励ましの言葉を忘れたかな!と反省しきりです。
- 若者の活動する姿を見て心強く思います。技術等をしっかり習得し、我々のために役立ててほしく思います。
- 学生さんの一生懸命さに感心しましたし、応対のしかたにありがたいと思いました。
- 最初からうまくいかないのがあたりまえ。これからが大事、頑張ってくださいと一言いいました。
貴重な体験ありがとうございました。 - 学生の皆さんが、本当に一生けん命でいつまでも初心を忘れずにいてほしいと思いました。
皆さんの笑顔が無くなりませんように。 - 最初は緊張のためか会話がスムーズにいきませんでしたが、後半は嚙み合うようになりました。
これからは私も含めてお世話になりますので、しっかり勉強して立派な看護師になってください。
本校では、看護の実践力を形成するCOREともいえる「コミュニケーション能力」と「臨床判断能力」の習得にむけ、模擬患者参加型の技術演習を今後も進めていく予定です。今回、「酒田市老人クラブ連合会」の皆さまからご協力いただき、改めて本校は地域の方々から支えられていることを実感いたしました。
2023年3月30日
副学校長 渡會 睦美