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実習指導者・教員の指導力向上のための取り組みをご紹介します
去る、10月25日(金曜)に「令和6年度実習指導者研修会」を開催しました。これは、学校側が主催者となって実施するもので学校を会場に年1回開催しています。この研修会では例年、看護や教育分野のトピックスをテーマに反映しています。
今年の4月から改正障害者差別解消法が施行され、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。この改正内容は、本校のような専門学校にも適用されます。そこで今回は『発達障害の特性が見られる学生への理解と支援』をテーマに、臨床心理士・公認心理師で本校のスクールカウンセリングの相談員でもいらっしゃる松本千鶴子先生を講師にお招きしてご講演いただきました。
松本先生のご講演では「神経発達症」、「アンプロフェッショナル」、「ミラーニューロン」など新しい概念による学生理解のヒントをいただきました。とりわけ、コミュニケーションにかかわる課題には、
学生自身が「自己を認知し、解釈している世界が実際のそれとが『異なる』という気づきが生まれるかどうかをみていく」ための“こちら側(教員や指導者)の反応の返し”が非常に重要になるとのご説明があり、改めて自身のコミュニケーションについて振り返る機会となりました。松本先生の臨床心理のプロフェッショナルとしての長年のご経験に基づくお話しはたいへん示唆に富み、とても価値ある学びを得ることができた研修会でした。
18時30分から開始の研修会であったにもかかわらず、本校の実習をお引き受けいただいている病院や施設の指導者・管理者の方々から多くのご参加をいただきましたことを、この紙面を借りて御礼申し上げます。日勤帯の勤務を終えてからの参加や休みを返上して参加された指導者の方もおられ、学生指導や人材育成についての関心の高さがうかがえました。
この実習指導者研修会は「学生にとって、より効果的な実習指導を行うために、実習指導者および教員の指導力の向上と、連携・協力体制を確立する。」ことを目的としています。指導者・教員といった役割の違いはあるわけですが、それに囚われることなく「未来の看護師を育てる」という共通認識のもと、これからも学生のよりよい学びのための方策を一緒に考えていきたいと思います。
2024年11月1日
副学校長 渡會睦美