『実践力確認演習-応用編』を行いました。

実践力確認演習の様子

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模擬患者役として「庄内てまりの会」の会員の方々と
東北公益文科大学2年生の方々をお迎えしました!

 去る12月11日(月曜)、2年生(第13回生)が『実践力確認演習—応用編』に臨みました。これは、「既習の知識と看護技術の統合を促進し、臨床判断および看護実践力の習得につなげる」ことをねらいとした演習で、この学年は1年次に『実践力確認演習―基礎編』を行っています。

 看護基礎教育においては令和4年度からカリキュラムが改正(第5次指定規則改正)され、第13回生から適用されています。カリキュラム改正のポイントとして、コミュニケーション能力や臨床判断の基礎的能力を養うことが示されていることを受け、本校ではこの能力を学生が確実に習得できるよう、さまざまな工夫を凝らした授業を展開しています。その1つとして『実践力確認演習』を企画しています。

 学内の演習ではクラスメイトがお互いに看護師役や患者役を行います。相互に看護師役・患者役をすることで分かること、気づくこともたくさんありますが、クラスメイト同士であるという甘えや遠慮が出たり、看護師役が何をしようとしているかを患者役が“読めてしまう„ことによる現実味に欠けた演習になってしまうことも多かったため、援助場面における臨場感をいかに演習に持ち込めるかが大きな課題となっていました。そこで今回、「応用編」の実施にあたり模擬患者役として「庄内てまりの会」の会員の方々と、東北公益文科大学2年生の方々にご協力いただくことができました。模擬患者さんには〖(1)教員からシナリオ(設定)の説明を受け⇒(2)役作りをして⇒(3)患者役になりきって⇒(4)看護師役の学生にフィードバック〗までを行っていただきました。

 今回の「応用編」の目標は、「対象の反応を捉えながら、科学的根拠に基づいた個別性のある看護援助を行うことができる」です。事例は脳梗塞の既往があり、右側の上・下肢に麻痺がある60歳代の患者という設定です。学生は、事前にこの事例に対し紙面上で看護過程を展開し看護診断を行い診断リストを作成しています。その看護診断に基づき計画を立案し、その1部を模擬患者さんに対し実施しました。事前学習から計画立案・援助まで一連のプロセスを振り返り、学生は下記のような所感を述べています。

  • 模擬患者の方々にご協力いただき、本格的な演習ができました。ありがとうございました。
  • 医療の知識がある方から、多角的な視点でアドバイスをいただきありがたかったです。
  • 模擬患者という外部の方から率直な感想を聞くことができたので、今後の実習でも活かしていきたいです。
  • 自分が考えた看護診断から、看護計画をたて患者さんに寄り添った看護を実施することができ、患者さんが実際に思ったことや、気持ちについて聞くことができたので大きな学びを得られました。

 本校では、看護の実践力を形成するCOREともいえる「コミュニケーション能力」と「臨床判断能力」の習得にむけ、模擬患者参加型の技術演習を今後も進めていく予定です。今回「庄内てまりの会」と東北公益文科大学の皆さまからご協力いただき、本校は地域の方々から支えられていることを改めて実感いたしました。紙面を借りて御礼申し上げます。

2023年12月19日
酒田市立酒田看護専門学校
副学校長 渡會睦美