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本校の位置する酒田市は、江戸時代「北前船」の寄港地として繁栄し「西の堺、東の酒田」ともいわれました。また近年は、インバウンド施策による海外の豪華客船の誘致・受け入れ港としても機能しており、江戸時代から現在に至るまで‶異文化〟を受け入れ交流する土壌が育まれているのが、ここ酒田市です。
この地域は、最上川舟運と日本海開運の結節点として発達してきました。経済が潤うのと並行して人の往来も活発になったことから、多様な文化の影響を受けながら独自の文化・風土を形成してきました。本校では、自分の生活圏である「酒田」という地域社会が形成された背景や歴史を学ぶことで、文化・風土と人間との相互の影響について理解を深めることをねらいとして1年次前期に『文化人類学』を配置しています。
『文化人類学』では講義回数7回のうち2回を校外学習にあて、講師の清野先生から酒田市の名所・旧跡のガイドをしていただきながら歴史や文化について理解を深めます。例年、校外学習は授業後半(9月)に行っていましたが、今年度から授業前半の6月に企画しました。この理由は、県外や市外から本校に入学し新生活をスタートさせた学生が、これから3年間過ごす「酒田」という街の歴史や文化に触れることで、酒田という土地に愛着をもってもらいたい-と考えたからです。
今年は6月20日(火曜)に校外学習を実施し、1年生32名が学習バスで移動しながら、「本間美術館」・「本間家旧別荘(清遠閣)」・「鶴舞園(国指定名勝庭園)」・「土門拳記念館」・「酒田市美術館」を巡り、酒田の歴史と文化を学びました。そして同時に酒田市の観光資源の豊かさをも知り、充実した時間を過ごすことができました。
県外・市外から入学した学生たちは「入学してから、ほとんどアパートと学校の往復だけだったが、酒田の有名な建物やスポットを知ることができ行動半径が拡がりそう。」という声が聞かれました。また、酒田出身の学生たちからも「自分が住んでいる街の成り立ちについて、知らないことがたくさんあった。酒田の文化・歴史の奥深さを学べてよかった。」という感想がありました。