2年生(第14回生)が『実践力確認演習 応用編』を行いました

実践力確認演習の様子 PDFはこちらからご覧ください。

模擬患者役は徳洲会庄内余目病院の看護師の方々、東北公益文科大学3年生の方々、そして、本校の卒業生!

 去る12月5日(木曜)、2年生(第14回生)が『実践力確認演習 応用編』に臨みました。これは、「既習の知識と看護技術の統合を促進し、臨床判断および看護実践力の習得につなげる」ことをねらいとした演習です。

 普段、学内の演習ではクラスメイトがお互いに看護師役や患者役を行います。相互に看護師役・患者役をすることで分かること、気づくこともたくさんありますが、クラスメイト同士であるという甘えや遠慮が出たり、看護師役が何をしようとしているかを患者役が“読めてしまう”ことによる現実味に欠けた演習になってしまうことも多かったため、援助場面における臨場感をいかに演習に持ち込めるかが大きな課題となっていました。そこで、昨年度から地域の方々を「模擬患者」としてお招きし、ご協力を得ながら演習を進めています。

 今年度の「応用編」の実施にあたっては、模擬患者役として徳洲会庄内余目病院の看護師の方々、東北公益文科大学3年生の方々、そして本校の卒業生の協力を得ることができました。模擬患者役の方々には【(1)教員からシナリオ(設定)の説明を受け⇒(2)役作りをして⇒(3)患者役になりきって⇒(4)看護師役の学生にフィードバック】までを行っていただきました。

 今回の「応用編」の目標は、「患者の症状を観察し、それに応じた援助が実施できる。」とし、事例は「心不全で息苦しさや下肢の浮腫が認められる50歳代の患者」という設定です。学生は、事前に“課題”として提示された援助内容(背部清拭または車椅子への移乗・移送)を自主練習のうえ本番に臨みました。事前学習から計画立案・援助までの学習過程を振り返り、学生は下記のような所感を述べています。なお、学生アンケートで要綱作成やオリエンテーションを含む演習に関する一連のプロセスについて、改善を求める意見が多く寄せられました。今回の演習について全教員で振り返りを行い、次年度への課題といたします。

  • 模擬患者の方々にご協力いただき、学生同士の援助とは違い、ものすごい緊張感の中で実施できた。
    自己の課題も明確になり、技術の不足も痛感するいい体験ができました。
  • その場で考え、対応するという「応用力」が問われた演習だった。デブリーフィングで率直な意見をもらうことができ、自信につながった。
  • 実際に看護の実務に携わっている方から患者役をしていただき、看護師の視点から指摘や助言をもらえたので、とても勉強になった。来月からの実習に活かしていきたい。
  • 先生たちの間で要綱の共有ができていなかったのではないか。それぞれの援助についてどこまで求めるのか、というゴールの統一が不十分だったと感じる。

 本校では、看護の実践力を形成するCOREともいえる「コミュニケーション能力」と「臨床判断能力」の習得にむけ、模擬患者参加型の技術演習を今後も進めていく予定です。今回、徳洲会庄内余目病院の看護師の皆さま、東北公益文科大学の学生の皆さまからご協力いただき、本校は地域の方々から支えられていることを改めて実感いたしました。紙面を借りて御礼申し上げます。

 また、「後輩の役にたつのなら!」と休日を返上して模擬患者役を引き受けてくれた卒業生もおり、後輩たちへ多大な貢献をしてくれたことに感謝いたします。一足先に看護の道を歩んでいる“先輩”として、堂々と『患者』を演じていた姿は、とても頼もしく見えました。

2024年12月20日
副学校長 渡會睦美